Encinitas, サンディエゴ

エンシニータスで生活を始めてから、やっぱり警察に目をつけられた。一回目は、ムーンライトビーチの駐車場で。僕が、ごはんを作ろうとしていた時、風が強かったので車の位置を移動させていると、不審に思った警察がパトカーでやってきた。そして、いきなり犯人扱い。手を後ろに組まされてボディーチェックをされた。怖かった。どうしたら良いのか戸惑っていると、お前は、ドラッグをやってるだろうと言われた。勿論、ドラッグなんかやってないのに、僕は警察が怖くてされるがままになってしまった。車もぐちゃぐちゃになるまでチェックされた。
後で聞いた話では、アメリカでは、僕が「ノー」とに言えば警察は車の中は絶対チェックできないとのことでした。ホントです。別の時、「ノー」と言ったら、車の中をあさられずに済みました。でも、警察はすごく怖かった。

それから数日後、例のEストリートで路駐して寝ようとしていたら又もや警察が来た。「ここで寝てはいけない。エンシニタースから出て行け。」と言われた・・・。でも、サーフィンがしたいだけなんですと言っても通じなかった。
その後、悩んだ結果・・・。僕には、やっぱりエンシニタースしかなかった。次の路駐場所は線路沿いにスペースがあったので、そこにした。アメリカ人の友達もそこで寝ていたので、教えてもらった。そこには、警察は全然来ませんでした。夜駐車するところでは、車の中で明かりを使わないことにしました。これは、路駐泊する上でとても重要です!!

日本を出てから2ヶ月、L.A.（ロサンジェルス）に行った。目的は、ロスで月に一回ある巨大なフリーマーケットに行くため。安いギターが欲しかった。結局、50ドルで良いのがあったので買った。終にギターが手に入ってうれしかった。その夜は、自分に弾き語りをした!!泣けた!!!
フリマもとても大きく、いろんな物があり楽しかった。ゆっくりは、見れなかったが行ってよかったと思う。ローズボールという場所で毎月やってて、日本人のバイヤーがすごく多くてびっくりした。

ロスに来たもう一つの理由は、バンクーバーで買いだめしていた日本食が無くなってしまったこと。
リトル東京に行った。リトル東京はロスのど真ん中にあったが、日本に帰ったような気分になれた。スーパーがあり、日本のおばちゃんがレジに立っていた。日本人客もいっぱいだった。
2ヶ月間日本人とほとんど接触していなかったので、すごくホッとして安心できた。3000円ぐらい分買い込んで帰った。残念だったのは、温泉かお風呂屋さんを探したが見つからなかったこと。無いみたい。

ロスからサンディエゴに帰ってきたら、すごくさびしい気分になっていた。アメリカでの車生活にもだいぶ疲れていたんだと思う。ほんとに日本に帰ろうかと思っていた。
そんな時、夕方ランドリーで洗濯していると、同じく洗濯していたアメリカの中年のおじさんが、話しかけてきた。名前はマーティ。洗濯の待ち時間にいろいろ質問されて、通りの反対側にある日本料理屋さんに誘ってくれた。なんとそこで寿司が出てきた！貧乏性の僕は、こんな展開まったく予想していなかった！寿司が食べれるなんて!!ご馳走になってしまった。すごく美味しかった。
レストランを出たらもう暗かった。マーティは、ぼくを家に招待してくれた。ぼくは、内心すごく不安だったが、誰かに頼りたかったに違いない。どこに家があるかなんかも全然想像がつかなかったが、マーティの車の後を追った。意外に近かった。その日は、マーティの家の向かいに路駐して寝た。

次の朝、マーティにグッドモーニングを言いに行った。すると家にあるキッチンやトイレ、シャワー、何から何まで一日中、使って良いと言ってくれた。なんとマーティの家は、サーフィンができるビーチまで歩いて２分の所にあった。最高だった。
それから、マーティの家での居候生活が始まった。マーティに、実は警察に街から出て行けと言われたと言った。するとマーティは、庭に布団を敷いて寝ても良いと言ってくれた。一ヵ月半、そこが僕の寝室になった。朝、9時になると植木から水が飛び出してきた。でも、夜の星空や月はすごくきれかった。サンディエゴは、気候がとても良く、雨もほとんど降らなかった。いい所だった。

マーティは、ほんとに親切にしてくれた。ランドリーではじめて会った時、僕がすごく寂しそうに見えたそうだ。マーティは、僕に学校案内や仕事を紹介してくれた。僕は、それまでと比べるとすごくいい生活をしていた。サーフィンをして、暖かいシャワーを浴びて、テレビを見て、好きなものを作って食べてという生活だった。夢のような場所だった。サンディエゴのエンシニータースは、僕にとっては最高！
よくテレビを見ていると、外に遊びに行け！と言われた。マーティは、お金稼ぎのために仕事も探して来てくれた。やる気はあったから、草引きやマーティの現場の手伝いなんかをした。マーティは、彫刻家のボスの下で働いていた。